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検察審査会の2度の議決を受け強制起訴された全国初の判決が無罪となりました

2009年に強制起訴の制度が導入されて、一般市民で構成する検察審査会の2度の議決を受け詐欺罪で強制起訴された投資会社社長に対し、全国初の判決が示され、 結果は那覇地裁(鈴木秀行裁判長)で14日、無罪が(求刑懲役7年)言い渡されました。

この裁判も、沖縄県警に逮捕された被告が検察で不起訴にされた為に、被害にあったとされる3人が那覇検審に申し立てを行い、検察で2度不起訴になり検察審査会で、「裁判所で真実を糾明すべきで、市民目線で巧妙と思われる詐欺の不起訴は到底理解できない」と2度起訴が議決され、指定弁護士が強制起訴した裁判です。 

強制起訴を巡っては公判で、検察官役の指定弁護士が「国民感覚や処罰感情からかけ離れない判断が求められている」と述べて懲役7年求刑していました。この国民感覚や処罰感情からかけ離れていると云う理由で起訴された事件は、小沢裁判とそっくりです。検察が、証拠がない為に起訴を断念しても、市民目線とか国民感覚や処罰感情が理由で起訴されては、証拠の無い不毛の裁判が続くだけです。

今回の小沢裁判も、小沢一郎は悪だから、罰しなければならないと云う思惑と悪意で証拠がない中で、強制起訴され裁判が進められてきました。その、小沢裁判は3月9日論告求刑が行われ、3月19日に最終弁論の予定です。

今回の指定弁護士の論告求刑を何度も読みましたが、全く中身の無いものでした。
指定弁護士は元秘書の独断とは考えられないので、小沢氏の了解のもと虚偽記載を行ったと思われると言って、肝心の求刑の為の基本となる共謀の具体的な日時や場所、被告の認識などの証明が出来ていませんでした。殆どが「とみるのが自然」などの表現を使い状況証拠と推測だけで論告求刑をしました。

また、政治資金の記載が間違っていれば修正でおこなっていると云う証言を『法を軽視し、規範意識が著しく鈍っている』と論告の中で述べ、禁錮3年の求刑をするなら、国会議員全員の修正申告を認めず、全員禁錮3年にしろと言っている事と同じ事であると云うに、この指定弁護士は全く気がついていない様です。

この論告求刑の中で指定弁護士の間違いは小沢氏の了解のもと虚偽記載を行ったと述べていますが、指定弁護士と弁護士双方が同じ会計学の専門家に証言させ、陸山会が行った政治資金収支報告書は、土地取引謄本に本登記された日を記載しているので正しいと言う証言を全く無視した事です。

もうひとつ重要な事は、検察官役の指定弁護士は「審査手続きの違法性と検察審の議決は次元が異なる」検察も間違いをするので、検察が証拠を捏造してその証拠を検察審査会に送って、起訴議決を行っても検察審査会の議決には何の影響も無かったと言う感覚です。

その結果、検察審査会の議決を経た強制起訴は適法と指摘しましたが、強制起訴した前提が大きく崩れている現状を全く認識していません。

指定弁護士は、本来は強制起訴議決は取り消せないが、検察から送られた共謀の重要な証拠は捏造されていたので、起訴議決をした事に明らかに重大な影響を受けたと述べるべきでした。

   
3月8、9日の大手新聞は各紙は小沢求刑公判の予定記事を「大善文男裁判長は公判で、元秘書の石川知裕衆院議員が小沢元代表に虚偽記載を“報告し、了承を得た”と認めた検察調書をすべて採用しないと決めた。共謀を示す直接証拠の中で最も重要な柱を失ったことで、指定弁護士は状況証拠を積み上げ、論告で有罪の意見を述べる予定だ」となっていました。
 
検察調書とは、東京地検特捜部の田代政弘検事が捏造した石川知裕元秘書の調書などで、それが証拠採用されないとなった為に、小沢一郎を攻撃してきた大手マスコミも、論告求刑の前に言い訳の記事を書き始めました。実際、指定弁護士の論告求刑はその通りで、一般の裁判では完全ん求刑を放棄する内容です。

間接証拠を並べて推論に推論を重ねて、小沢有罪の論告求刑を行いました。証拠がある簡単明瞭な事件ですと、要点を述べて済みますが、今回の論告は決め手の証拠がない為に、公判で読み上げる指定弁護士の文章量は非常に多くなり、何が言いたいのか全く分からない内容に成りました。決め手の無い論告求刑を行い、あとは裁判官の推認と云う判断を待つ考えと云う思惑がはっきり解りました。
 
前回の証拠採用公判で大善裁判長から「違法」「不当」と批判された為に、東京地検特捜部は逆にこの裁判で検察捜査のひどい実態や、検察審査会が検察の補完機関に使われていたことが明るみに成りました。また、強制起訴制度には、証拠が無くても市民目線や国民感情と云う魔女狩り裁判ができると云う欠陥があることも明るみに成りました。

今日の、那覇地裁の判決は、市民目線や国民感情と云う証拠全く関係が無い事に左右されず、証拠に基づいた判決を出した事は、当然の事です。

しかし、今回の那覇地裁の判決の朝日、毎日の記事の内容は大きく違っていました。これも小沢裁判を意識したものでしょうか。

(毎日新聞3月14日)
詐欺罪:強制起訴の会社社長に無罪判決 那覇地裁 未公開株の購入を持ちかけて現金4800万円をだまし取ったとして、詐欺罪で強制起訴された沖縄県南城市の投資会社社長、白上敏広被告(60)に対し、那覇地裁(鈴木秀行裁判長)は14日、一部を公訴時効で免訴としたうえで、無罪(求刑・懲役7年)を言い渡した。検察が不起訴にし、検察審査会(検審)が2度起訴すべきだと議決して強制起訴された事件の初の判決が無罪になり、09年5月の改正検察審査会法施行で事実上の起訴権を持った検審のあり方や司法制度改革について論議を呼びそうだ。
 
起訴状などによると、白上社長は02年4~5月、上場する見込みが薄い企業の未公開株の購入を持ちかけ、沖縄県内の3人から計4800万円をだまし取ったとされる。白上社長側は「企業は上場を果たす可能性があり、上場後の株価上昇も見込まれる状況にあった」と反論し、正当な商取引として無罪を主張した。
 
また、詐欺罪の公訴時効が7年で、社長が外国に行っていた時効停止期間を考慮しても一部は時効が成立し免訴すべきだと主張していた。強制起訴を巡っては公判で、検察官役の指定弁護士が「国民感覚や処罰感情からかけ離れない判断が求められている」と述べたのに対し、白上社長側は「検察が容疑不十分で2度不起訴とした」と検察の判断を強調した。
 
白上社長は3人から金をだまし取ったとして沖縄県警に逮捕されたが、不起訴になり、3人の申し立てを受けた那覇検審が10年6月「起訴相当」と議決。地検が再び不起訴としたのに対し、検審は同7月「裁判所で真実を糾明すべきで、市民目線で巧妙と思われる詐欺の不起訴は到底理解できない」として起訴議決をし、指定弁護士が強制起訴した

(朝日新聞3月14日)
強制起訴で初の判決 詐欺事件の被告に無罪 那覇地裁 一般市民で構成する検察審査会の2度の議決を受け、詐欺罪で強制起訴された投資会社社長に対し、那覇地裁(鈴木秀行裁判長)は14日、無罪(求刑懲役7年)とする判決を言い渡した。2009年に強制起訴の制度が導入されて、判決が示されたのは全国初。
 
起訴状によると、沖縄県南城市の白上敏広被告(60)は02年3~5月、投資家ら3人に「年内に上場し、株価が3~5倍に値上がりする」などと、上場見込みが低い未公開株の購入を持ちかけ、計約4800万円をだまし取ったとされていた。
白上被告側は「上場の可能性を十分有し、株価の上昇も見込まれる状況にあり、詐欺にあたらない」として無罪を主張していた。一部は公訴時効が成立しているとして、免訴判決も求めていた。

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