小沢裁判第9回公判の江川昭子さんのツイ-トと北海道・読売・毎日新聞の記事を転載します
小沢裁判第9回公判の江川昭子さんのツイ-トと北海道・読売・毎日新聞の記事を転載します。新聞も今回の公判で検事の証言に元特捜検事が虚偽書類作成 と云う記事を書いています。
今日の証人は石川議員を調べた田代検事。午前中の主尋問で、指定弁護士は起訴後任意取り調べの隠し録音の一部を流したり、取り調べメモをプロジェクターに大写しにしたり。傍聴席にも分かりやすいこういう尋問の工夫は、検察官とは違うな。
主尋問終了後、河津弁護士が主任弁護人に耳打ち。弘中弁護士が立ち上がり「今の証言は取り調べの経緯という限度で聞くべきであって、石川氏がああ言ったこう言ったという伝聞供述を使うことはないように」と釘を刺していた 。指定弁護士側も同意。緻密な理論派の河津弁護士らしい
田代検事の尋問終了。喜多村弁護士の鮮やかな反対尋問はまるで法廷ドラマを見ているようだった。
喜田村洋一弁護士は、昨年5月17日の取り調べで、石川議員が言ってもいないことを、田代検事は捜査報告書の中で石川氏の発言として書いていたことを指摘。さらに、捜査報告書が検察審査会で石川調書の任意性や信用性があると判断する根拠にされたとも指摘した。喜多村弁護士の追及で捜査の問題が露わに。
では、喜田村弁護士が捜査報告書のことで田代検事を追及した場面などのやりとりをこれから連続ツイします
1)喜田村弁護士による田代検事尋問。「昨年5月17日の石川議員取り調べの後に作成した同日付の捜査報告書について。喜「あなたから『国会議員として選挙民を裏切ることになるのか』と説得され、小沢氏への報告・了承を供述した、という石川氏の言葉が記載されている。
2)本当に石川氏はそう供述したんですか」 田代「現在はそういうやりとりはなかったと認識している」 喜田「あなたから、『事実なら署名拒否する理由はないでしょ』と言われて調書に署名した、と報告書ではなっている」 田代「このやりとりはなかったと思う」
3)喜田「捜査報告書に実際とは異なる状況を報告したのか」 田代「取り調べを一言一句記録しているわけではないので、思い出し思い出し報告書を作成した。記憶が混同した」 喜田「いつ報告書作ったのか」 田代「数日間かけて」 喜田「虚偽の報告書をあえて作ったのでは?」 田代「そうではありません」
4)石川氏はこの取り調べの際、勾留中の供述調書とは異なる主張をした。しかし田代検事は、供述を変更すると小沢氏にとって不利益になると、石川氏に告げて供述変更に応じず、従前通りの供述とする調書を作成。報告書でも、石川氏の供述は従前通りと報告している。
5)喜田「何のための報告書か」 田代「調べが終わった後、木村主任検事に作るよう求められた」喜田「主任検事の求めで作った捜査報告書なのに、記憶が混同してしまった」 田代「はい」 喜田「本当にそんなことあるんですか?!たったの数日間で、5月17日のことと何ヶ月も前のことが混同したと?!」
6)田代「事実です」 喜田「この報告書が検察審査会に提出される可能性は?」 田代「あると思う」 喜田村弁護士、2回目の議決書を読み上げ。保釈後の〈再捜査〉において小沢氏に不利な供述をした理由を<合理的に説明し再捜査前の供述を維持していることなどから、石川の供述には信用性が認められる>
7)と書かれていた。その記載を読むと、検察審査会が、田代検事の「記憶混同」報告書に影響されて、小沢氏の関与を認めた石川供述に信用性ありと判断し、強制起訴としたのではないか、という喜田村弁護士の問題提起だった。
8)隠し録音によれば、5月17日の取り調べで、田代検事は水谷マネーについて「検察が勝手に言っているだけで、そんなのは水掛け論になるから、相手にしなくていい。証拠ないんだから、別に」と発言。その点について、次のように弁明した。「証拠はある。後で反訳書を見て、言い過ぎたなと思った」
9)「この日は、石川さんに水谷のことをこれ以上聞いても進展がなく、時間の無駄と思っていた。なのに石川さんが水谷のことばかりほじくるので、やめさせようと思って、つい言ってしまった」 喜田村弁護士は「だったら、今日はその話は必要ないと言えばいいでしょ」とさらり。(了)
おや、今朝の読売新聞が、昨日の小沢公判の一番の面白い部分を一面トップで報道。その価値判断が正しいのみならず、過去の報道の大きさに見合うフェアな報道と思う。
検察官の虚偽の捜査報告書の問題を二社面扱いで済ませた朝日新聞と東京新聞のニュースセンスを疑う。この両紙にとっては、検察問題っちゅうのは、もう終わったことなんですか。
元特捜検事が虚偽書類作成 陸山会公判 石川議員再聴取で
(北海道新聞・読売新聞・毎日新聞12月16日 )
資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の東京地裁(大善文男裁判長)での第9回公判は、15日午後も東京地検特捜部検事として元秘書の衆院議員、石川知裕被告(38)=1審有罪、控訴中=を取り調べた田代政弘・新潟地検検事(44)への証人尋問が続いた。田代検事は元代表を「起訴相当」とした検察審査会の1回目の議決後、元私設秘書の石川知裕を再聴取した。
石川議員の保釈後の再聴取状況をまとめた捜査報告書に、実際には存在しない供述が記載されていると弁護側に追及され、元東京地検特捜部所属の田代政弘検事(44)が昨年5月、石川被告が述べていない事実と異なる内容を捜査報告書に作成を認めたことが明らかになった。
報告書は東京第5検察審査会が小沢被告に対する起訴議決を出す際、審査の対象としていた。今後の公判の行方に影響を及ぼす可能性もある。
石川被告は昨年1月の逮捕後、田代検事の取り調べを受け、小沢被告の了承を得て政治資金収支報告書に虚偽記入をしたとの供述調書に署名。同年5月17日の任意の再聴取でも同様の内容の調書が作成された。この日の証人尋問で、小沢被告の弁護側は、田代検事が作成した同日付の捜査報告書には、石川被告の発言として「検事から、有権者から選ばれた国会議員なのに、ヤクザの手下が親分をかばうようだと言われたことが効いたと供述した」などと記載していた。しかし石川議員による5時間超の「隠し録音」にそのやりとりは無かった。
また、弁護側が追及したのは、石川議員が元代表の関与を認めた捜査段階の供述を維持した理由について述べたとされる部分。「『選挙民は小沢元代表の秘書だから投票したわけではない』という検事の言葉が効いた」との内容で、元代表を起訴すべきだとした東京第5検察審査会の2回目の議決も重視した部分だが、弁護側は隠し録音を元にして「これまでと同じ供述をすれば元代表は不起訴に成る」と供述の維持を迫ったのに報告書には書かれていないと指摘した。
これに対し、田代検事は「数日をかけて、思い出しながら報告書をまとめる際、勾留中のやり取りなどと記憶が混同した。」と釈明した。
佐陪席の井下田英樹裁判官は「任意性に疑義が出る様な危険な取り調べをしていると云う自覚はあったのか」との質問。「言葉の取られ方によってはそうなることもあると思うが、当時は気にしていなかった」と答え故意に供述を誘導した事を否定した。