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日本がTPP交渉に参加する事はTPPに加盟すると事に同意したと見なすのが正しい解釈と思われます

TPPに参加しなければ日本は世界の孤児になり、農林水産業GDP1.5%を守るために参加しないのは98.5%のかなりの部分が犠牲になる(前原誠司氏)という報道がありました。
また、韓国は米国とのFTA締結で「韓国農業者が儲かっていると発言」しているとも報道されましたが、しかし韓国がウオン暴落で、日本に救済を求めたと云う事はあまり報道されませんでした。

TPP締結で農業者も強くなり逆に輸出ができる様に成ると云う事を言いだしました。しかし、輸出出来る農林水産業製品はほんのわずかです、日本でも高級産物とされているものだけしか、輸出など出来るはずが有りません。

郵政民営化解散総選挙の時も、何一つ国民にメリットがないデメリットばかりの郵政民営化でありましたが、まるでバラ色の世界が開けるとマスコミがこぞって喧伝し、多くの国民が騙され、郵政民営化を支持して小泉政権を大勝させることになりました。

マスコミが一致して郵政民営化に動きましたが、その結果起きたことは、各種手数料が値上がり、郵便局員の一時雇いが増え労働条件は悪化し、地方の特定郵便局は無くなり地域格差が拡大しました。

私達は、郵政民営化はマスコミの宣伝によって騙されましたが、その郵政民営化で行われた時と同じ事が、TPP交渉参加について、加盟しないと世界の孤児になり、韓国に後れを取ると、またマスコミから同じ様に宣伝されています。

郵政民営化は、国民新党の亀井静香氏らの尽力で、凍結され、竹中平蔵氏が関わり西川善文氏時代に外資に中身はかなり食い荒らされているようですが、とりあえず、株式の売却は免れて、外資化はされてはいません。

TPPは、何かと農業だけが取りざたされていますが、交渉のテーブルに着くには、まず、24の作業部会が設置されます。

まず、日本が交渉のテーブルに着くには、「米国産牛の輸入月齢制限撤廃(BSE感染が分からない月齢での輸入を認る)」と「郵政改革(もっと自由化する)」などを認めなければなりません。
その為に、日本が交渉のテーブルに着いた時点で、「米国産牛の輸入月齢制限撤廃」と「郵政改革」は、すぐに決定されます。 日本が、交渉に参加したら、24の作業部会での決定事項が知らされるということになっています。

日本が、交渉に参加した時点で、24の作業部会の基本はすでに決定していて、日本は飲むだけの立場になります。交渉する余地はほとんどありません、交渉に参加すれば知らされることになっていますので、決定している基本を了解していることになります。その為に、知らされたことが嫌だからと、断ることは不可能と考えられます。

TPPで設置される24の作業部会
1 首席交渉官協議
2 市場アクセス(工業)
3 市場アクセス(繊維・衣料品)
4 市場アクセス(農業)
5 原産地規則
6 貿易円滑化
7 SPS(検疫、及びそれに付随する措置)
8 TBT(貿易上の技術的障害)
9 貿易保護
10 政府調達
11 知的財産権
12 競争政策
13 サービス(クロスボーダー)
14 サービス(電気通信)
15 サービス(一時入国)
16 サービス(金融)
17 サービス(e-commerce)
18 投資
19 環境
20 労働
21 制度的事項
22 紛争解決
23 協力
24 横断的事項特別部会(中小企業,競争,開発,規制関連協力)

この24項目が具体的に何をターゲットにしているのかは日本が加盟してからでないとしらされません。
何もわからない状態では入れと誘われているわけです。

しかし、前原氏は、『交渉のテーブルに着くのだから、交渉の余地はある』と言っていますが、実際はほとんど交渉の余地は有りません。交渉のテーブルに着いたときには、基本部分はすでに決まっているのです。
日本が交渉に参加する=TPPに加盟すると同意と見なすのが正しい解釈と思われますので、国民にその覚悟が有るかどうかです。
交渉のテーブルについて、いやならいつでも抜ければよいではないかという意見は、まったくの無知と言えます。何が出るかわからないことを了承して日本は、交渉のテーブルに着いたのですから、抜けることは許されません。
 
カナダ政府の貿易交渉官を勤めたピーター・クラーク氏は「(TPP の)基本部分が決定されるまではカナダをTPP 交渉から外し、でき上がった協定を『飲むのか拒否するのか』の選択をカナダに迫ることがワシントンの狙いだ」、「カナダは全体協議型のTPP 交渉を期待していたが、ハワイのAPEC サミットでオバマ大統領がTPP 交渉の勝利を宣言できるよう、ことを急ぐ米国にとっては、カナダがじゃまなのだろう」、「自国の主張が入らないような『メイド・イン・ワシントン』の取り引きには日本も中国も乗らないだろう」

「(TPP の)交渉は協定内容の構想の段階から協定文の作成と市場アクセスの約束という段階へ進んでおり、今回の第一段階の交渉へ(日本やカナダなどの別の国が新たに)参加するための窓は『非常に極めて(開けるのが)きつく』なりつつあると言っています。
 
これを読みますと、日本の立場はカナダに同じとわかります、カナダが「メイド・イン・ワシントン」の取引には加わらないことは明らかです。

基本を決定する交渉から除外されているにもかかわらず、菅前首相や野田元首相は、交渉参加を決めているようですが、日本が交渉する余地はないということを本当に知っていて、検討しているとはとても思えません。
 

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