北海道新聞には何時ものマスコミがあまり書かない小沢事件の本当の流れを書いています
来週9月26日には陸山会事件の判決が出る日ですが、北海道新聞には何時ものマスコミがあまり書かない小沢事件裁判の本当の流れを書いていました。この事は、マスコミは裁判の結果がどの様になっても、中立な報道していたと云うアリバイ作りをしていると思います。今朝の北海道新聞の記事を転載します。
また、日刊ゲンダイが7月の論告求刑を行った公判担当の主任検事斎藤隆博副部長(48)の姿が先月22日の陸山会事件の最終弁論の時に消えていたと報じましたので、この事も転載します。
何が裁かれるのか陸山会事件(北海道新聞9月22日)
小沢一郎民主党元代表の元秘書3人が政治資金規正法違反罪(虚偽記載)に問われた陸山会事件の判決が26日、東京地裁で言い渡される。検察側と弁護側が真っ向から対立する同事件では、特捜検察の行き過ぎた取り調べや、有力政治家が巨額の政治資金を扱う実態など、さまざまな問題が明らかになった。判決を前に、論点をまとめた。
調書不採用に「特捜部の供述調書が不採用になることは、めったにないのだが」。論告求刑公判を前にした7月上旬、東京地検の幹部が珍しく弱音を吐いた。
公判を通じて目立ったのは、検察の「筋書き」が随所でほころびを見せたことだ。とりわけ6月末には、登石郁朗裁判長が「威迫と利益誘導を織り交ぜ巧妙に誘導した」などと検察の取り調べを厳しく批判。
陸山会事件で検察側立証の核心部分となる、衆院議員石川知裕被告(38)道11区らの供述調書の多くを
証拠不採用とした。
水谷建設からの裏献金を隠すため、小沢元代表からの借入金4億円を収支報告書に記入しなかった。陸山会事件で検察が描いた筋書きだ。
しかし石川議員が任意聴取を隠し録音したICレコーダーには「(別件で)やることもあるかもしれない」など再逮捕をちらつかせて検察側に有利な供述を引き出そうとする様子が記録され、旧態依然とした取り調べが暴露された。
8月、検察改革をめぐり講演した笠開治雄検事総長ですら「とりたい内容で調書をとるやり方は直さないといけない」と、従来の捜査手法の誤りを認めた。
裁判の直接の争点ではないが、事件をめぐるもう一つの問題点も屈摘される。検察が陸山会事件と小沢元代表の元公設第1秘書大久保隆規被告(50)が別の政治資金規正法違反罪に問われた西松建設事件で、立件のハードルを大きく引き下げたことだ。
逮捕に批判も
政洽家の資金の流れが巧妙化し、贈収賄の適用が難しくなった検察が新たな武器としているのが政治資金規正法違反罪。検察はこれまでも、村岡兼造元官房長官ら政治家を同法反罪で立件し、有罪を勝ち取ってきた。
ただ、村岡元官房長官らはいずれも1億円を超える「ヤミ献金」。西松事件での大久保被告の場合、虚偽記入の額は3500万円で、しかも政治資金収支報告書に記載された「表」の献金だった。
大久保被告が逮捕された2009年3月は、解散総選挙をめぐって与野党がぶつかり合っていた時期。政権選択を前に最大野党の党首の側近を逮捕したことには、小沢氏周辺だけではなく批判の声が出た。
検察は、その後も西松建設事件から陸山会事件へと捜査を拡大し、10年1月には石川議員らも逮捕。しかし、結局水谷建股からの裏献金は立件できず、元代表の起訴は見送らざるを得なかった。
検察取材が長いノンフィクションライター魚住昭さんは、検察が立件のハードルを下げたことなどを指して「検察による政治コントロールにつながりかねない」と批判する。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件発覚などで特捜検察への信頼は地に落ち、裁判所ですら捜査手法を批判する中で迎える陸山会事件の判決。「大物政治家を立件して手柄を立てようとするあまり、無理はなかったか」。検察OBも特捜部の「病巣」を懸念する。
(日刊ゲンダイ)より転載
前回までの公判で検察官席にドッカリと座っていたひとりの検事の姿が消えていた。
東京地検特捜部の斎藤隆博副部長(48)――。公判担当の主任検事として、7月の論告求刑公判では衆院議員の石川知裕被告に禁錮2年、後任の事務担当秘書だった池田光智被告に禁錮1年、元公設第1秘書の大久保隆規被告に禁錮3年6月を求刑した。公判の“最後の見せ場”を飾った主任検事が突然、表舞台から消えたのだ。
「長野県岡谷市生まれで、中大法学部卒。本来は株の不正操作事件のエキスパートで、05年末に出向先の証券取引等監視委員会から特捜部に戻ると、ライブドア事件を一から掘り起こして名を上げました。将来を嘱望されているエース検事です」(検察事情通)
改ざん検事の前田恒彦受刑者も、今回の事件で大久保被告を取り調べた際に「(検察内部で)これから偉くなるのは斎藤さんだ」と話したという。しかも斎藤副部長は、小沢を強制起訴した検察審査会にも深く関わっていた。
「昨年9月上旬に検察審が『起訴議決』を出す前に義務付けられた検察官の意見聴取に出席し、犯罪の謀議に加われば共犯に問われる『共謀共同正犯』の成立条件を説明。1958年の最高裁判例を持ち出して1時間以上、ド素人の審査員に“講義”を続け、強制起訴に導いた張本人でもあるのです」(司法関係者)
なぜ、エース検事は消えたのか。当時の東京地検次席検事で小沢捜査を主導した大鶴基成氏(56)は、8月1日付で定年まで7年を残して早期退職。同じく特捜部長だった佐久間達哉氏(54)も左遷され、現在は閑職の身である。「斎藤氏も詰め腹を切らされた可能性はあります。ただ、これ以上、経歴に泥が付かないような配慮かもしれません。
4人の公判担当のうち、有望株だった小長光健史検事(39)は論告求刑を待たずに6月2日付で法務総合研究所に出向し、本人は敗色濃厚の公判から抜け出せて小躍りしたそうです。いずれにしても検察側が負けを認めた措置には変わりありません」(検察事情通)