江川紹子さんが陸山会事件の検察の論告求刑を傍聴しツイ-トしています
江川紹子さんが陸山会事件の検察の論告求刑を傍聴しツイ-トしています。
このツイ-トには、大手新聞が全く書かなかった大事なことがいくつもあり、検察が推論にもとづいて論告求刑を行った実態が良く解ります。
1) 陸山会&西松事件での検察側の論告は、やはりパッとしなかった。特に陸山会事件での大久保元秘書の関与については、「…と考えられる」「…とは到底考えられない」「…はずがない」「…としか考えられない」「…と推認される」と推測に次ぐ推測。石川議員との「共謀」すらそうなのに、
2) 池田元秘書とは石川議員を介した「共謀」で、説得力はますます希薄。違法な献金を隠すために嘘の記載をしたとの「動機」についても、
a)石川氏に5000万円を渡したとする水谷前社長の証言の裏付けがない、
b)小沢氏が土地購入代金として提供した4億円が不正な金であるという証明がない、
3)c)それどころか、石川氏が水谷建設から金を受け取ったとされているのは平成16年10月15日で、小沢氏からの4億円を複数の銀行口座に分散して入金を始めたのは10月13日。小沢4億円の中に水谷からの5000万円が入りようがなく、まして大久保氏が水谷から金を受けとったとされるのは 翌年の平成17年4月。土地購入の原資になりようがない。検察の主張は自家撞着に陥ったままだ。
4)翌年の平成17年4月。土地購入の原資になりようがない。検察の主張は自家撞着に陥ったままだ。これで「小沢氏から借りた4億円は、その由来を公にできないものであった」と言われても、裁判所も困るだろう。いったい何のために、何期日も使って水谷関係の証人を調べたのだろうか
5)また、4億円の分散入金は小沢氏からの借り入れを隠蔽するためというが、銀行に預金すれば記録が残り、「隠蔽」にならない。「隠蔽」したければ事務所の金庫に隠しておくだろう。このように、検察のストーリーは無理や矛盾を重ねていて、取り繕いようがなくなっている、と言わざるをえない。
6)ただ、これで3人とも無罪かというと、そう単純ではない。党代表選への影響を考慮して、土地購入の公表を遅らせようと本登記を意図的に翌年にずらしたことや、きちんと記録しないまま他の政治団体との間で資金の融通をしたことを、裁判所がどう判断するかは、判決を聞いてみないと分からない。
7)その程度は他の政治家もやってるじゃないか、と言う向きもあるだろうが、交通違反で「なんで俺だけ。他の人もやってる」と主張しても通らないのと一緒で、代金支払いの年に報告すべしと裁判所が判断すれば、有罪になる可能性もある。 一方、西松事件についての論告は、陸山会事件に比べれば、
8)それなりの説得力はあった。ただ、献金していた政治団体は西松建設のダミーとする検察側主張と矛盾する同社元総務部長の法廷証言(「政治団体がダミーとは全く思っていなかった」「事務所も会社とは別に借りて資金も別だった」)に対し、きちんと反論せずにスルーしたのは、かなり拍子抜けした。
9)この元部長は検察側証人なんだし、有罪か無罪かを占ううえで、カギとなる重要証言と思うのだが…。で、求刑は大久保氏禁固3年6月、石川氏同2年、池田氏同1年。最終弁論は8月22日、判決は9月26日。そして10月には、小沢氏の公判が始まる。
陸山会事件では、平成16年10月29日に代金は完済し土地の引き渡しも行われたが、この日は仮登記に止め、翌年1月7日に本登記を行ったことが、合法かどうか問われるはず。微妙なのは、ミスや勘違いではなく、代表選を意識して政治資金報告書の記載を翌年にするためにそうした、という点。支払った時点で記載すべきものなら、翌年に回した行為は違法とされるだろうし、本登記の時でも構わないなら無罪になるはず。なのに、その点の主張が論告の中で展開されていないのは、ほわい?検察は「動機」の悪質さを語ることで頭がいっぱいで、何がどう法律違反かを主張するのを忘れたのか
ちなみに石川氏は、司法書士に問い合わせたら本登記でOKと言われた、と主張し、違法性の認識を否認している。検察は、なんで論告の中でこの被告側の主張をきっちり論破しておかないのかなあ…どなたか法曹関係者に教えてもらいたい
それにしても、本件の場合、「代金支払いの時に報告しなくても、本登記の時に報告すればよいと思った」とする被告人の主張を、法律論で反論するくらいのことはしなくていいのかな。検察官、「動機」の悪質性を言うのに夢中で、行為の違法性を主張立証するのを忘れてるみたい。
要点は
1.調書を不採用になった検察は、いままでの主張を、と考えられるという形でくりかえしただけであること。
2.水谷証言の日付の矛盾を指摘していること。この指摘は重要であり、水谷証言がでっちあげであること、なんらその事実が証明されていないことが明らかになっている。
毎日新聞がやや修正を加えてきたが、
あとは、検察リークと同様の、検察側の情報の羅列でしかない。
ちょっと調べればわかる、これらの矛盾を、マスコミが報道していないし、
あるいはマスコミに、江川さんのような取材力がまったくないことがわかる。
大マスコミが江川さん一人よりはるかに下の低レベルにいる。
こういう報道姿勢が我が国の世論を間違った方向に導いている。