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朝日新聞発行の週刊AERAが検察提出の供述調書を裁判所が証拠としてを却下した記事を転載します

朝日新聞発行の週刊AERAが検察提出の供述調書を裁判所が証拠として却下した記事を転載します。

また今日はこの様な検察が提出した証拠が却下されると云うの致命的な裁判所の決定がありながら、日本人として恥ずかしくなる様な、論告求刑がありました。

小沢一郎氏と検察の攻防は、小沢氏の勝利がほぼ確実になった。東京地裁が元秘書の公判で主要調書を却下、特捜部の取り調べを厳しく批判した。「最強の捜査機関」の看板返上につながりそうな、その詳細な内容は 「少なくとも小沢氏本人の無罪は、これで間違いないだろう」 90ぺIジに及ぷ文書を読み終
えたある元検察首脳は、こうっぷやいた。
 
小沢氏の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、秘書3人を審理する東京地裁(登石郁朗裁判長)は6月30日付で、検祭と弁護側に「決定
書」を出した。これは、検察側が法廷に証拠として提出した元秘書3人の調杏のうち、「証拠」として採用できる調書と、採用できないとして却下する調書を
決めたものだ。
 
却下された調書に書かれていた「供述」はなかったことになる。合計38通の調書のうち、11通が全文、却下された。一部を却下された調書も多い。この中には検察響査会が小沢氏の強制起訴を決めた際、主な理由に挙げた「4億円の虚偽記載についいて小沢氏に報告・了承を得た」とする元秘書・石川知裕衆院議
貝(38)らの供述調書も含まれていた。

つまり、小沢氏起訴の主要な証拠は信用できないと東京地裁が認めたことになる。小沢氏については、裁判の仕組み上、まったく別の裁判長が一から審理するため「絶対」とは言えないが、「小沢氏が無罪になる公算は極めて高くなった」というのが法律家の共通した見方だ。

恐ろしいところだ
 
本誌はこの決定書の全文を入手した。そこには、小沢氏を是が非でも起訴しようとした特捜検察の強引な取り調べと、裁判所のかつてない検察への「不信」
が浮き彫りになっていた。 決定書を読み解く前に、まず陸山会事件の一連の経緯を簡単に振り返ってみよう。
 
東京地検特捜部は昨年1月、陸山会が小沢氏から借り入れ、後に返済した4億円について、政治資金収支報告書に記載しなかったとして、石川議員と元秘書で元会計貴任者の大久保隆規被告(50)、元秘書池田光智被告(33)を政治資金規正法違反容疑で逮捕、起訴した。

小沢氏本人については不起訴としたが、市民H人で構成する検察審査会に申し立てがあり、2度の「起訴相当」議決によって、小沢氏は強制起訴された。
 
ここまでは検察優位に事態が進んだ。変転したのは昨年9月。厚労省局長村木厚子さんが無罪になった郵使不正事件で、前田恒彦・元捻畢が証拠を改窟して
いたことか発覚、検察は苫境に追い込まれる。前田元検事は陸山会事件の捜査にも加わっており、大久保被告の取調官でもあったからだ。検察側は前田元検
事が取り調べた大久保被告の調書はすべて取り下げたが、裁判所は今回の決定にあたり、ほかの検事による取り調べについても、徹底的に検証した。
 
この90ぺージの決定書の中で、石川議員に対する取り調べについては35ページをさき、三つの密室の謀略を明らかにした。
 
ひとつは、石川議員の取り調べの大半を担当した田代政弘検事による威迫だ。 「特捜部は恐ろしいところだ。何でもできるところだぞ、捜査の拡大がどんどん進んでいく」 2010年1月14日。任意での事情聴取の際、田代検事はこ
う言ったと石川議員は主張した。

田代検事は否定したが、5月17日に検察審査会の起訴議決を受けて任意で再聴取を受けた際に、石川議員が隠しどりした録音が、石川議員の正当性を裏付ける根拠とされた。録音の中で、石川議員が「『ここは恐ろしい組織なんだから、何するかわかんないんだぞ』って諭してくれたことあったじゃないですか」と水を向けると、田代検事は「うんうん」とこたえ、「検察が石川議員を再逮捕しようと組織として本気になったとき、まったくできない話かっていうと、そう
でもない」と脅しともとれるようなことを言っていた。

面前でメモを破る
裁判所はこうした心理的な圧迫の結果、「4億円を故意に記載しなかった」とする調書に、石川議員は署名したとした。さらに小沢氏の指示・了承については「『これぐらい書いても小沢さんは起訴にならないから』と田代検事が言ったため認め
た」という石川議員の主張を合理的なものだと記している。
 
田代検事の上司にあたる吉田正喜・特捜部副部長(当時)による石川議員への取り調べはさらに強引だ。吉田副部長は「水谷建設から小沢氏側への5千万
円を受け取った」という供述を得ようとする質問に終始。否定する石川議員に対し、石川氏が別の後援会の人から金銭を受けとったことを持ち出して賄賂だ
と揺さぶり、「国会議員を辞職する」という調書をとった。そして、この金銭授受について「こんなのはサイドストーリーだからな」などと言って、取り調ベ
中に書き取ったメモを、石川議員の面前で破って見せた。
 
さらに、石川議員を調べた田代検事と、人久保被告を調べた前田元検事は、それぞれ「もう一人は認めている」と嘘を言い「まずいんじやない」などと言
って、双方に「石川議員が大久保秘書に不記載の報告をした」という調書に署名をさせた。
 
5月17日の再聴取では、田代検事のこんな言道も録音されていた。 『否認すれば小沢が絶対権力者だという印象を検察審査会に与えるので、供述を維持するほうがいい」「『報告・了承してません』といったら起訴議決・強制起訴の可能性が高くなる」
 
実際には、石川議員が一貫して報告・了承の供述を変えなかったことを理由のひとつに、2度目の起訴議決がなされ、小沢氏は強制起訴された。
 
裁判所は、これらをもとに、「検察側は心理的圧迫と利益誘導を織り交ぜながら巧妙に誘導した」と非難した。 なぜ、特捜部はこんな強引な取り調べをしたのか。幹部のひとりは当時の東京地検と最高検の対立が思い当たるという。
 
「陸山会事件では、複数の東京地検幹部が小沢氏本人の逮捕を強硬に主張していたが、最高検は反対していた。『悪いやつがいるのに検寮組織がそんなに大
事か』と東京地検幹部がなじり、最高検幹部が『そんな強引な捜査はありえない』と応じる。
当時、量局検と東京地検でそんな激論があった」という。

疑獄捜査から撒退
最高検は「政治資金規正法違反は形式犯なので、悪質性を証明する必要がある」として「4億円の原資が建設会社からの違法献金でなけれぱ立件させない」とハードルを課した。「その結果、都合がいい供述を引き出そうと、石川議員らに強引な調べをする」という事態になったという。

結局、東京地裁に「石川議員の取り調べの録音がなければ水掛け論に終始していた可能性すらある」と石川議員の「隠しどりの功績」を認められるという、検察にとっては「最悪の結末」に至った。
 
それだけではない。7月8日、笠間治雄・捨事総長は記者会見で、「犯罪構成要件があって処罰価値があるからやるという原点に戻る」と述べた上で、「今後は国税や警察などと共同捜査する経済財政事件に軸足を移し、(政界などの)独自捜査優先は控える」とした。
 
戦後の闇市摘発から始まりながら、ロッキード事件、リクルート事件などで、首相にさえ迫る力をもった特捜検察は、法と証拠を曲げたことで自滅した。

特捜部の名杯を財政経済部にすることも検討したが、かろうじて名前は残すことにしたという。 「独自捜査をやめたわけではない」と笠問総長は言うが、特捜部が国民の信頼を得て政治腐敗に再ぴ切り込むロは来るのだろうか。 編集剖三橋麻子


(毎日新聞 2011年7月20日 )
陸山会事件:論告求刑公判 元秘書3人、表情険しく 「共謀」証拠減り打撃の検察
 
「小沢事務所の収入実態を世間から覆い隠した事件」。小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、検察側は20日、東京地裁の論告求刑公判で厳しく批判した。

事件着手から公判の過程で、元公設第1秘書の大久保隆規被告(50)が先に起訴された「西松建設違法献金事件」の審理は中断し、小沢元代表は強制起訴され、地裁は東京地検特捜部による調書の多くを却下した。元秘書3人全員が無罪を訴え全面対決となった公判を巡る状況は曲折を重ねた。 この日、3人は険しい表情で論告を朗読する検察官をみつめた。
 
西松建設から違法なダミー献金を受け取ったとして政治資金規正法違反(虚偽記載など)に問われた大久保被告の初公判は09年12月。大久保被告は「ダミー献金との認識はなかった」と無罪を主張したが、10年1月に「陸山会事件」で衆院議員で元秘書の石川知裕被告(38)らとともに逮捕された。今年2月の陸山会事件初公判に併合されるまで、審理は中断したままだった。
 1月には石川被告が昨年5月の再聴取の際にひそかに録音していたことが明らかになった。その中で、捜査段階で虚偽記載を認めたとされる石川被告に対し、特捜部の検事が「供述が変遷すると悪い影響を与える」と説いていたことが判明し、弁護側は「自白は誘導された」として録音を書面化したものを証拠として提出した。
 
過去15回の公判では、起訴内容の虚偽記載に関する部分の証人は銀行関係者2人にとどまる一方、検察側が動機として位置づける「裏献金」をしたとされる「水谷建設」の関係者は6人が出廷した。川村尚・前社長は「ダム建設工事の下請けを受注するため、大久保被告に計1億円を要求され従った」と検察側主張に沿って証言。水谷功・元会長は川村前社長が04年10月に石川被告に手渡したとされる5000万円について「私が手配した」と証言したが「大久保被告に渡したと聞いていた」と述べるなど、同社関係者の中でも食い違いがみられた。
 
石川被告ら3人を取り調べた検事4人も出廷。「調べに問題はなかった」と口をそろえたが、地裁は6月30日、石川被告の「録音」を根拠に、取り調べに威迫や利益誘導があったとして「任意性は認められない」と相当数の調書を退けた。石川、池田光智(33)両被告と大久保被告の共謀を支える直接証拠がほぼ失われ、検察に衝撃が走った。ある検察幹部は「特捜部の手法が否定されたこの裁判の影響は大きい」と話す。

また朝日新聞は中身に触れずこの様に報道しています。

(朝日新聞7月20日)
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた元秘書3人の公判が20日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、検察側は衆院議員・石川知裕被告(38)に禁錮2年を求刑した。
 また、会計責任者だった大久保隆規被告(50)に禁錮3年6カ月、石川議員の後任の事務担当者だった池田光智被告(33)に禁錮1年を求刑した。大久保元秘書は、西松建設からの違法献金事件でも同罪に問われている。3人はいずれも無罪を主張しており、弁護側が8月22日に最終弁論をして結審し、9月26日に判決が言い渡される。  検察側は論告で、事件の背景として、小沢氏の地元の胆沢ダム(岩手県奥州市)の工事受注をめぐり、中堅ゼネコン「水谷建設」から小沢氏側に裏金が渡っていたと強調した。

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