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元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんの今回の公電の暴露に対する意見と暴露された公電

元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんが「外交の世界の機密は無制限ではない。国民への説明と実態がかけ離れていること自体、民主主義の国ではあり得ない」と指摘。国民に真実を隠してきた日本の政治家や日米の官僚の批判を強く述べています。

同時に「グアムに移転する米軍の人数を水増ししたことは『ばれても大した事はない』と無意識に沖縄の人たちをばかにし、差別している」と指摘し、国民が沖縄の基地問題に無関心な上、政治家や官僚が同問題を「構造的な差別の中に置いている」ため、問題解決が遅れているとも言っています。
 
佐藤優氏は「どんなことであれ東京都知事や北海道知事、沖縄以外の知事や県民にうそをつけるだろうか。沖縄の知事は植民地並みの扱いを受けている。沖縄はめげることなく、堂々と抵抗する正当性がある」とした。
 
米外交公電は日本の政治家や官僚が、普天間移設問題でうそや言葉を使い分けていることも示した。佐藤さんは、メア元国務省日本部長など日米の官僚発言を検証する必要性も強調し「発言の責任を糾弾しないといけない。だが、『ノーコメント』の人とうそをついた人を区別した方がよい。全て排除すると沖縄の味方が少なくなる」と話した。佐藤さんは「公電は、普天間の県外移設に抵抗する外務・防衛官僚を取り上げた沖縄地元紙の報道の正しさを裏付けている。朝日新聞以外の全国メディアも内容をきちんと伝えてほしい」と期待した。

在沖米海兵隊のグアム移転費に関しては、日本側が28億ドルの財政支出(真水)を行うとした両国間の負担の枠組みに、2009年のグアム協定締結当時から懐疑的な声が根強かった。今回の米公電の暴露で不透明な積算根拠などの一端が示された格好だ。当時野党だった民主党はグアム協定の審議で自公政権を批判。情報開示の不十分さを指摘し、協定の採決では反対に回った。しかし政権交代後、財政負担の枠組みを見直すこともせず、自公政権の方針を踏襲し、現在に至っている。

麻生太郎首相(当時)は09年4月、28億ドルの根拠に関して「下から積み上げたというより、(米側との交渉で)上限を決めた」と答弁。沖縄の負担軽減につながる取り組みであり、「費用負担だけで論ずるのは意味がない」と述べていた。
日本側は真水に加えてインフラ整備などへの出資・融資に32・9億ドルを負担するとされており総額は60・9億ドル。

しかし米側の家賃収入や光熱水料による出資・融資の返済計画は50年とされ、枠組み自体の実効性を問う意見も相次いだ。
中曽根弘文外相(当時)も「国民の税金であり厳格な使用が必要」としつつも、具体的な積算根拠は示さぬまま。防衛省は年度ごとに効率的支出を精査すると述べるにとどまった。
一方、移転する海兵隊の人数8千人も「実数」か「定数」かで論議を巻き起こした。政府は沖縄にいる海兵隊1万8千人から8千人が減るので負担軽減になるとしてきたが、グアム協定の国会審議過程で「実数ではなく定数」と説明した。

防衛省関係者は「部隊は常に移動している。海外派兵もあれば国外訓練もある。定数ベースで議論するしかない」と弁明していたが、実員で8千人に満たない移転に反発が上がった。

下記に今回ウイキリ-クスによって暴露された公電を載せます
【在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する公電】=2008年12月
 一、06年4月の日米交渉で、グアムの軍用道路建設費10億ドルが再編費用に盛り込まれた。
 一、費用全体を膨らませることにより、日本の負担比率を(見掛け上)減らすことができる。米国はこの道路を移転に当たって絶対的に必要なものとは考えていない。
 一、移転対象の海兵隊員と家族をそれぞれ8千人と9千人とした数字は日本向けに意図的に最大化したものだ。
 【災害対策などに関するシーファー駐日米大使の公電】=2008年3月18日付
 一、縦割り主義でリスクを避けたがる日本官僚組織が「備えが不十分な際の危機に対する脆弱(ぜいじゃく)性」を高めている。
 一、日本をまひさせる災害が発生すれば、世界経済に影響を与える。
 一、重要な社会基盤の防御や、災害が発生した場合の悪影響を最小限に抑える方法を日米2国間で協議することは有益かもしれない。
 【北朝鮮問題などに関するキャンベル・斎木会談】=09年9月21日付
 一、キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長と会談した。
 一、斎木氏は、北朝鮮が日本人拉致被害者の一部を殺害したが、一部は生存していると考えていると述べた。横田めぐみさんは比較的若いことから、その安否が最大の問題であり、人々は横田さんのケースに最も心を寄せているとも述べた。
 【政権交代などに関するキャンベル・山岡会談】=同日付
 一、民主党の山岡賢次国対委員長はキャンベル次官補と会談した。
 一、日米密約に関しては透明性を重視する。鳩山首相や岡田外相は政治的な理由から非核三原則の法制化を望むかもしれないが、山岡氏と小沢一郎幹事長は核持ち込みが必要な場合もあると国民を説得することが重要と考える。
 一、小沢氏は中国で胡錦濤国家主席らに歓待されたが、米政府は同様の対応を取らなかった。
 一、小沢氏は民主党最大の実力者であり、次期参院選で勝利すればさらに影響力を強める。鳩山氏の次の首相となる可能性は高い。
 【在沖縄米軍基地問題に関するキャンベル・長島会談】=10月15日付
 一、キャンベル次官補らと長島昭久防衛政務官らが会談。
 一、長島氏によると、北沢俊美防衛相は現実主義者で現行の移設計画を支持している。
 一、キャンベル氏は、鳩山首相が北京で「米国に依存し過ぎていた」と述べたことを受け、日米関係に危機をもたらすと警告した上で、米国政府が日本より中国に関心を向けたいと公言したら、日本はどう反応するか想像してほしいと発言。
 一、(長島政務官らが席を立った後)高見沢将林防衛政策局長は、長島氏の現行計画に関する発言を額面通り受け取るべきではないと指摘。省内ではもっと強硬だと述べ、米側は再編計画見直しへの柔軟性を見せるべきではないと発言。
 一、防衛省側が在沖縄海兵隊のグアム完全移転や、沖縄県内の他の施設との補完により抑止力は維持可能ではないかとの仮説を提示すると、キャンベル氏は劇的に向上している中国の軍事力を指摘し、有事の際は嘉手納基地と那覇空港以外にもう一つの施設が沖縄に必要だと述べた。
 【同問題に関するズムワルト・山岡会談】=12月9日付
 一、ズムワルト駐日米首席公使が山岡氏と会談。
 一、山岡氏によると、沖縄県の仲井真弘多知事は普天間移設は現行計画をやり通さなければならず、それが政治的に生き残るための唯一の道だと分かっている。
 一、沖縄の人の意思を尊重していては何も起こらないだろう。沖縄県知事選前に政府が決定すれば、沖縄の政治問題は大したことはない。
 【日米関係などに関するルース・前原会談】=10日付
 一、ルース駐日米大使は前原誠司国土交通相に「鳩山氏がオバマ大統領に『信頼して』と言いながら最後までやり通さないとの問題もある」と指摘。
 一、前原氏は日米同盟関係悪化について「喜ぶ国は2カ国だけだ。中国と北朝鮮だ」と発言。
 【基地問題などに関するズムワルト・松野会談】=10年1月26日付
 一、ズムワルト氏が松野頼久官房副長官と会談。
 一、松野氏は、鳩山首相と日米作業グループは、普天間飛行場を沖縄県外に移設する案を「形式的」に検討しなければならないが、唯一の現実的な選択肢は普天間をキャンプ・シュワブか、その他の既存施設に移転させることだと述べた。
 一、松野氏によると、日本の安全保障政策は地方自治体によって決定されることはなく、(移設反対派が当選した)名護市長選の結果は鳩山首相の最終決断において重大な要素にならない。
 一、松野氏は、キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画は「死んだ」と強調。工事現場の周辺で抗議行動が起きる可能性が強いとした。
 一、松野氏は、名護市長に当選した稲嶺進氏が普天間移設の現行計画への反対を表明したとしても、同氏は修正案を受け入れるかもしれないとの見方を示した。
 【日米安全保障高級事務レベル協議】=10年2月4日付
 一、キャンベル次官補と外務省の梅本和義北米局長らが日米安全保障高級事務レベル協議を開催した。
 一、キャンベル氏は「北朝鮮情勢、増大する中国の軍事力などに直面し、日米同盟は史上最も重大な試練を迎えた。だが、この現実は見過ごされがちだ」と指摘。
 一、米国はグアム周辺とアジアでの自衛隊のプレゼンスと活動の強化を要請した。(肩書は当時)
 
公電の中で、当時の外務省幹部が米政府高官に対し、県外移設を進めた鳩山政権を批判したとされていることについて、鳩山氏は「外務省にはそういう考え方があったのではないか。私の考え方が理解できなかったんじゃないかと思う」と、不快感を示した。

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