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最も危険とされる浜岡原発

先日、東京新聞に最も危険とされる浜岡原発で戦いが再燃と云う記事が載っていました。
この様な記事は、地方紙にはよく載りますが、大手新聞にはあまり載りません。

東京新聞4月8日に載りました、記事を転載します。
塚本千代子さんは先月まで、つまり、黒く焦げて煙を上げる福島第一原子力発電所の原子炉建屋がテレビでお馴染みの映像になるまで、自分は自然の力が日本の原発に与え得る最悪の事態を想像してきたと思っていた。

塚本さんは過去25年間、日本の原子力産業、特に1つの発電所に対して不穏な考えを抱き、反対運動を行ってきた。その発電所とは、福島原発ではなく浜岡原発だ。福島から南へ約400キロ、静岡県内の彼女の自宅から車ですぐのところにある、福島原発と同様の年式と構造の発電所である。

浜岡原発は何年もの間、日本の反原発運動家にとって最大の敵となっていた。浜岡原発が建っている土地は大きな地震断層の中心地の真上にあるため、日本で最も危険な原子力発電所だ、というのが彼らの主張だ。

東海地震の予想震源地の真上に建つ原発

これらの断層は、100年から150年ごとに大きな地震を引き起こしてきた。前回大地震があったのは1854年で、地震学者たちは今後30年以内にマグニチュード8以上の地震が起きる可能性が80%以上あると考えている。

日本政府の元原子力アドバイザー、石橋克彦氏は、浜岡原発は予想される東海地震の巨大な断層面の上に位置しているため、日本で「最も危険」な発電所だと話している。

「私は、地震で制御棒が抜け落ちて、手に負えない核反応を招くような事態を心配しているんです」。塚本さんはこう言う。

「原子力に反対する私のような人間ですら、福島があれほどひどく壊れるとは思っていませんでした。会社側は何度も繰り返し、安全だと言っていたのに」

最上階の展望台から5つのきれいな原子炉建屋とその先の太平洋が見渡せる、浜岡原発の明るい展示館にいると、このような不安は場違いな感じがする。

展示館の1階には、毎回ぴたりと定位置に収まる動く制御棒を備えた、沸騰水型原子炉の実物大の断面模型が置かれている。この発電所のマスコットキャラクター(ピーナツの形をし、青いモジャモジャ眉毛の黄色いマスコット)が30分ごとにモニターに現れて、原子力の原理を説明する。

塚本さんが所属する反原発団体「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」は2002年、浜岡原発の運転差し止めを求めて運営会社である中部電力を訴えた。

 地裁は2007年に中部電力に有利な判決を下し、現在は控訴中だ。

静岡ネットワークの弁護士の1人、只野靖氏は、人口3万4000人の地元の街、御前崎市では原発に対する「反対が事実上全く見られなかった」と話す。

原発によって雇用や税収のほか、一時金を得てきた御前崎市

御前崎市は、浜岡原発が生み出す雇用と税収のほかに、新たな計画が承認を必要とするたびに高額の支払いを受け取る。中部電力は1996年に、5基目の原子炉の建設許可と引き換えに御前崎市に25億円を支払ったと、市の当局者は認めている。

展示館では、50キロ離れた静岡市からやってきたオオムラ・アキヒトさん、キヨコさん夫妻が、福島原発の危機で自分たちも浜岡原発の安全性に初めて疑問を持ったと語ってくれた。「ずっと原発は安全だと信じてきましたが、正直言って心配です」。オオムラさんはこう言って、自分の兄弟は中部電力で40年間働いたと付け加える。

反原発の運動家たちは、福島原発の事故によって、地元の人が浜岡原発は安全だと断言する当局者の言葉に懐疑的になることを期待している。

浜岡の安全性に関する議論は、考えられる震源の深さや「アスペリティ」(構造プレートがぴったりとくっついた状態で特に強く圧迫されて、地震でより大きなエネルギーが解き放たれる可能性が高い領域)の推定が絡んでくるため、複雑だ。

中部電力は地盤は硬いと言うが・・・

中部電力は、浜岡原発の真下の地盤は硬いと話しており、福島原発を水浸しにし、非常用発電機を使用不能にしたような津波(最大波は高さ14メートルだったと推定されている)から発電所を守るために、高さ12メートルの新たな防波壁を建設する計画を発表している。

 一方、反対派は、地震学調査は決定的なものではなく、中部電力は土地について確信を持つことはできないと話す。彼らは、日本の原発設計者による過度に楽観的な想定の歴史を指摘する。

塚本さんは、自分の所属する団体の運動が浜岡原発の最も古い原子炉2基を廃炉にするという2009年の中部電力の決断に貢献したと考えている。一方、中部電力は、廃炉の理由は経済的なものだったと言う。問題の原子炉は古すぎて、安全性を高めるための高額な改修に見合わないというのだ。

福島原発の非常事態が始まってから、中部電力は、浜岡原発の6号機建設の着工時期を2016年まで1年間遅らせると発表した。だが、反対派は、もっと大きな一撃を加えるチャンスだと見ている。

左派の社民党は、浜岡原発を直ちに停止するよう求めてきたし、塚本さんは、今回の原発危機が、静岡ネットワークの控訴審を手掛け、来年判決を下す可能性のある東京高裁に影響を与えると考えている。「福島原発は強力な証拠になるでしょう」と塚本さんは言う。

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