« 原子力発電は本当に発電コストが安いのでしょうか | Main | 福島の事故を止められなかった司法の貴任は相当大きいと司法関係者は認識すべきです »

現実に稼働している原発の電源などのバックアップ体制の実態は非常にお粗末なものです

3月11日の地震で福島第1原発は送電線からの外部電力が断たれ、津波で非常用ディ-ゼル発電機も停止。

全電源が失われ、原子炉や使用済み燃料プールが冷却できなくなり、大量の放射性物質を放出する大事故につながり、経済産業省は事故後、原発を保有する電力会社に電源車を4月中旬をめどに配備するよう指示をしました。

また中長期の対策として空冷式ディーゼル発電機の整備などを求めましたが、現実に稼働している原発の実態は非常にお粗末なものです。

東京電力福島第1原発事故を受け、外部電源と非常用発電機の全ての電源が断たれた場合に備え、各電力会社などが新たに配備した電源車や発電機では、原子炉を安定した停止状態にすることはできない原発があることが25日電力会社などへの取材で分りました。

原子炉を安定した停止状態にすることはできない理由は、電源車や発電機の発電容量が小さく、原子炉を冷却する装置を一部しか勣かせない為です。

地震後の福島第1原発と同様に、非常用発電機が使えない場合には代替電源がないという状況は事実上、改善されていません。

北海道新聞に、各電力会社の実態が載っていましたが、この様な状況で通常運転を続けると云う事は、何時第二の福島に成ってもおかしくないと云うことが解ります。
 
原発を所有する電力10社と、高速増殖炉もんじゅ(福井県)を持つ日本原子力研究開発機構によると、事故後に電源車や可搬式発電機を原発に配備した。

だがこうした電源で動かせるのは計器類や小規模の注水装置だけで「非常用発電機のバックアップとは言えない」 (電力関係者)という。
 
日本原子力発電によると、敦賀原発2号機(116万KW、福井県)の安全な冷却には約3500KWが必要だが、配備したのは220KWと800KWの電源車1台ずつ。1825KWの電源車3台を手配したが、配備は「来年3月ごろまでに」としている。

敦賀1号機では220KWを1台配備、800KWと1825KWー台ずつを手配した。
 
中部電力は東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡県)で、廃炉手続き中の2基を含む5基に追加対策。

現在ある非常用発電機に加えて、津波の影響を受けないように海披約14~30mの原子炉建屋屋上などに新たにディ-ゼル発電機計9台を設置したが、容量が小さいため、さらに敷地内の高台にガスター‐ビン発電機3台を配備する。

ガスタ-ビン発電機の設置などによって十分な大容量電源が確保できるのは「2012年度初め」(九州電力)、「2年程度」(北陸電力)などと比較的時間かる施設と、秋-年内東北電カ東通原発(青森県)日本原電東海第2原発(茨城県) 関西電力、中国電力、「速やかに」(四国電力、原子力機構)などに分かれている。

一方、東京電力は、柏崎刈羽原発(新潟県)に配備した4500KWー台、500KW4台の電源車などで運転中の4基の冷却が可能だとしている。

|

« 原子力発電は本当に発電コストが安いのでしょうか | Main | 福島の事故を止められなかった司法の貴任は相当大きいと司法関係者は認識すべきです »