国の基幹交通の高速化の確立は無駄な公共事業とは違います
九州新幹線3月12日開業で調整 新大阪へ3時間47分
JR九州が来春の九州新幹線鹿児島ルート(博多―鹿児島中央)の全線開業日について、来年3月12日を予定し沿線自治体やJR西日本などと最終調整していることが24日、関係者への取材で分かった。9月中に正式決定する見通し。JRグループの春のダイヤ改正日に合わせる考えだ。 また、山陽新幹線と直通運転し、新大阪―鹿児島中央間を結ぶ列車について、途中停車駅を主要駅に限定し、3時間47分で運行する列車を設定する方向でJR西日本などが検討を進めている。JR九州は「さらに時間短縮できる可能性もある」と強気だ。 JR関係者によると、新列車名は「みずほ」が有力で、鹿児島中央発の場合、九州新幹線区間では熊本と博多のみ停車させる考え。ビジネスマンの出張利用などを見込み、朝と夜の時間帯に限定的に運行させるという。 JR西日本と九州は、既に運行を決めた山陽新幹線と直通する「さくら」について、同区間の所要時間を約4時間としていた。しかし、競合する航空路線に対抗するには、停車駅をさらに絞り込み「4時間の壁」を破る列車の運行が必要と判断。
と云う記事を読みまして、ついに東京から鹿児島まで高速鉄道が繋がったかと云う感想を持ちました。やはり近代日本国家を築いた薩長の力には到底北海道はかなわないと云う率直な感想を持ちました。
東京以北の延伸は今年ようやく青森まで東北新幹線が開通します。それから北へ向かう北海道新幹線は、現在函館まで建設中ですが、札幌までの延伸は全く不透明です。
現在の試算では、東京-札幌間を350km運転すればほぼ大阪-鹿児島と同じ所要時間に成ると言われています。また東京-札幌の航空機の搭乗者数は世界一の一千万人と言われています。
所要時間4時間を切った場合の新幹線利用人口は完全に航空機を上回ると言われ現実に、他の新幹線もその様に成っています。
九州新幹線は、これで大阪-鹿児島の航空機の利用者を大幅に獲得出来ると予想されます。
この事によって、札幌延伸の機運が高まると思われますが、北海道内でも採算性に疑問を持つ人や、札幌以外の地区に恩恵が無いと云う意見も出され札幌延伸への機運があまり高まってはいません、もっと有効にお金を、現在の北海道の整備に使った方が良いなどと云う意見も良く聞きますし、道外の評論家からは航空機が有るのに必要ないと云う東京目線の言葉が聞こえます。
しかし、昨日北大の教授が説明していましたが、新幹線を持っている各JR会社は新幹線から得れる利益の為、JR自体の体力が強くなっていると説明していました。一番体力が弱いのはJR北海道で、その為に道東や道北の在来線の維持や、高速化ができなくなるかも知れないと言っていました。事実北海道では、JR移行時期に相当数の赤字路線が廃止や第3セクタ-(現在はその路線も廃止と成りました)に移管されました。
幸福駅で有名に成った広尾線は現在、幸福駅だけが観光名所として残っているだけです。
また、本州と北海道は海で隔てられていますので、高速で移動する手段は航空機しか有りません。その為天候悪化の時には、千歳空港で寝泊まりする人であふれます。
4時間の壁とは、実際に飛行機を使った場合の札幌-東京の所要時間です。飛行機の飛んでいる時間は千歳-羽田はおよそ1時間半程ですが、札幌から千歳までの時間と羽田から都内までの時間と飛行機に乗る為の手続きにかかる時間を合わせますと、4時間以上かかるからです。
また、時間に正確な新幹線ですと5分前に駅のホ-ム到着すれば簡単に札幌から東京に行くことが出来る便利さは、単に時間だけでない心理的な有利さが働くと思います。
昨日は、本州からの旅行者からの意見が紹介されていましたが、5~6時間かかっても、新幹線の方に乗ると答えた人が多かった様に思えます。やはり巨大な空港での手続きや、乗り換えなどの時間だけでは、簡単に答えが出せない人間の心理状態が有る様です。
また、単に札幌-東京間の移動だけではなく、現在最も交通手段が不便な北海道と東北間も、もっと利便性が高まり交流が、盛んに成ると思います。
北海道から東北の都市へ行く時などは本当に不便な現状が有ります。北海道-東京間の方が簡単に移動できると云う不自然さは、現在の北海道-東北の経済活動や、人と人の交流に大きな支障をきたしていると思います。
現在世界の流れは、国内の移動については航空機から高速鉄道の時代に変わろうとしています。
日本は現在デフレが状態で、需要と供給のギャップが大きく成っていますが、財務省主導の緊縮財政では、ますますこの状態が進むだけです。
かつて大蔵省の高官が青函トンネルを完成の時に昭和の三大馬鹿事業と言った事が有りますが、この貴重な青函トンネルを有効に使わない方が平成の大馬鹿政策と思います。
確かに現在の国債残高は膨大ですが、国の基幹交通の高速化の確立は、無駄な公共事業とは違います。