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参院選挙後の世論調査は全く理解しがたい物です

 国民心情を恣意的に作り出しているマスコミのたれ流し無責任報道の為、政治や政策の色々な事がゆがめられています。
参院選挙後の世論調査は全く理解しがたい物です。
その例として、菅内閣は支持しないが菅首相は辞めなくてよい、参議院与党の敗北は良かったが自民党には政権をまかせられない、消費税上げには反対だが議論は進めた方がよいなどです。これは読売新聞の調査ですが、読売新聞の世論調査を見て、理解しがたいと感じた人々は少なくなかったのではないかと思います。
大マスコミがまともな報道をせず、意図的な揚げ足取り報道や場当たりの批判を連発する為に成った現象と思います。その為、民意が支離滅裂状態に陥ったと思われます。

売らんがためのワイドショー的報道も理由のひとつです。いずれにしても、世論が世論調査なるもので、かなり混乱させられている事は間違いないと思います。
例えば、菅内閣の支持率は45%から38%に急落しました。不支持率は13ポイントの急上昇で52%さらに、参院選の結果、与党が過半数割れしたことを54%の人が「良かった」と答えました。
しかし、それでは菅は即刻辞めるべきかというと、続投に賛成が62%、反対が28%「もっと続けろ」という結果です。
しかし、菅総理が模索する政策ごとの野党連合が実現できるかについては、「できる」が26%、「できない」が62%。消費税についても、民主党の敗因のトップに挙げた人が4割近くもいましたが、逆に消費税引き上げに賛成64%、反対32%となりました。
これは、世論には一貫性がなく、なにも深く考えていないことがよく分かります。

多分、参院選の投票行動も似たようなものだったと思います。何となく、「消費税を言い出した菅総理は許せない」という表層的、感覚的判断が優先したと思います。
その為、国会はねじれ、あっという間に民主党政権が行き詰まりました。
この様な有権者の行動が昨年の衆院選では政権交代を実現させ、しかし、参院選では民主党を惨敗させ、それでも、「菅総理は続けろ」と言います。
その全く理解しがたい、世論をつくり出しているのが大マスコミであと思われます。

また、毎週世論調査が行われる為に、揚げ足取りの異様報道がこの5年間くらいずうっと続いて来ました。
大新聞・TVは、菅総理が口を滑らせた消費増税議論に食らいつき、連日、党内の反対論や菅総理のブレ、迷走を詳報しました。また、入れ代わり立ち代わりで集中的に世論調査を断行しまし、民主党の劣勢を連日、煽りました。
これがいかに異様なことか。
北大教授の山口二郎氏は東京新聞の「本音のコラム」でこう書いています。
〈今回の選挙戦を見て、頻繁な世論調査の弊害が現れてきたように思う。民主党の終盤の劣勢は、主として菅首相の消費税率引き上げを巡る不用意な発言に起因しているので自業自得である。それにしても、毎週世論調査を行い、首相の発言をどう思うか人々の瞬間的な反応を調べて、そこから出てきた数字が政局を動かすという事態が、本来の民主政治なのかという疑念を覚える〉

これがまともな感覚というものだと思います。
大新聞が世論をつくり、その世論が政局を動かす異常さ。
そのために、莫大なお金をかけて世論調査を繰り返す大マスコミの愚かさ。
その為、世論はすっかり翻弄され、迷走しているのに、読売はそんな世論を使って、またまた、「内閣支持急落38%」と、1面に大々的に報道し、「菅総理の哀れな末路」を強調しています。この事は、民主党政権に成った時からでは有りません。
この国では大マスコミが政治を混乱させる元凶と断じてよいと思います。

「普天間」も鳩山総理を潰すための「材料」でした。
この国の怖さは民意が簡単に大マスコミの報道に惑わされることです。その為に、大マスコミがその気になれば、政権を潰すことも簡単な事です。
菅総理では「消費税」を材料にしましたが、鳩山内閣では「普天間」を使いました。
本来であれば、日米安保見直しという大きなテーマになるのですから、腰を据えた議論と交渉を促すのが大メディアの役割と思われますが、「5月末までに決着」という鳩山失言をとらえて、内閣の迷走や米国の不信、沖縄の不安を煽りまくり、世論調査では「決着できない場合、辞めるべきか」と再三、聞いて、追い詰めました。
現職首相が国益のために汗をかいている時に、こんな質問を繰り返すのは異常です。しかし、今回の選挙では普天間の普の字も菅総理に聞こうとしませんでした。
大マスコミにとって普天間は「政治的テーマ」ではなく、政権を潰す「材料」に過ぎなかったのです。

評論家の佐高信氏の皮肉は強烈です。
「5月決着という元々無理な時間軸で、日米安保見直しという重大テーマの解決を鳩山前首相に迫り、政治責任を問うた大マスコミの罪は極めて重いと思います。そのための道具が世論調査で、世論が辞任を求めていることを錦の御旗にしました、 いまも同じ様に、無責任報道を続け、世論を惑わし、民主党政権の混乱を煽り、国をいたずらに迷走させようとしている、これじゃあ、いつまでたっても日本の政治は良くならない。国は劣化する一方なのである。」

 朝日新聞OBで政治評論家の国正武重氏はこう言います。
「昔は新聞社もこんなに頻繁に世論調査をやらなかったし、一面で大きく報じることも少なかった。昨今は自分たちの調査をさも大ニュースのように報じている。それによって、政治が動く。政治家、政党も世論調査に振り回されている。こうした世論調査至上主義はおかしなことです。政治家は世論を気にせず、もっと毅然とすべきだし、世論調査を重視しすぎる報道はもう限界に来ていると思います」
小沢・鳩山・菅と続く民主党はいい加減な世論なんか気にすることなく、自分たちの信念を貫けばいい。さもないと、民主党政権を潰したい無責任メディアの餌食になるだけである。」
今後はマスコミ攻撃の為に退いた、小沢氏が代表に戻って、最初の民主党を与党に導いた人間から、王道を行く政治を行ってももらいたいと願います。

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